ノスタルジア追想の旅 旅行記

8月15日(木) ヴォルテーラからシエナそして..

早起きして,街を撮影した.遠景はガスがかかっていて, 映画「ノスタルジア」の冒頭シーンのよう. 一度ホテルに戻り,ふたりで朝食を食べに街中まで出かけた. カフェで食事をし,彼女はスケッチのために広場へ.. 私は街周囲の写真撮影にでかけた. 城壁を一回りしてきたが,アップダウンが結構あり疲れてしまった.

ちょうど教会の鐘がなっていたので,テープに録音した. 今回持ち込んだのはDATウォークマンとバイノーラル・マイク(自作品). ヘッドフォーンを改造したマイクなのだが,立体的に録音できた.

教会の鐘の音 バイノーラル録音(1.2MByte) (ヘッドフォーンでお聴きください.)

その間に彼女はスケッチを2枚描きあげていた. その後,一緒に街を歩いた.アラバスターのお土産を買って,昼食を食べた. 料理がなかなか来ず少しイライラ,清美さん達との待ち合わせ時間が 迫っていたからだ. 結局,時間に遅れてしまい,ジャンが街の中をさがしてくれていた. 今日はシエナから「ノスタルジア」の聖地ともいえるサン・ガルガノへ行く予定. ジャンの運転で移動.ぶどう畑を撮影しながら,車内ではうちとけた気分で話がはずんだ. シエナに到着.パリオ(馬の競走大会)の前日だけに人が多かった. パリオはこの街では大きなお祭り行事.各地区から裸馬が出走し,競いあうのだ. カンポ広場は土で固められ,まわりは各地区の旗(動物などがモチーフになっていた)が 掲げられて,明日の準備が着々と進められていた. その中でマンジャの塔に登ろうとしたのだが,既に予約が終わっていた. かわりに私立美術館で美術品を見た. その後,清美さんが出入りしているロウソク屋を訪ねる. きれいなロウソクが並び,製作を実演していた. 人混みの中を抜け,ドゥオーモへたどり着いた. 白と黒の縞模様が印象的であった. 中の美しい床面は見ることができなかったが,バラ窓やまわりの美術品を堪能することが できた.パリオの旗もおいてあった. シエナの混雑した街を後にして,自動車は一路サン・ガルガノへ向かった. シエナから西へ30Km程の所にあるが,交通手段は本数の少ないバスのみ. まして午後遅くから夜景を見ようとすると野宿覚悟となっていただろう. 融通のきく個人ガイドだから実現できたのだと思う. わがままをきいてくれたトスカーナガイドに感謝である. いよいよサン・ガルガノが近づいて,ふたりは興奮ぎみ.. 幹線道路を曲がり聖堂が見えてきたときには,「とうとうやってきた!」という 実感がわいてきた.

まず,小高い丘にある建物に行ってみた. ここには「聖者の剣」という,岩に刺さった剣が展示されている. 売店があったので,絵はがきや参考資料を購入した. 丘を下り,いよいよ映画のロケに使われた聖堂へ入った. サン・ガルガノは廃虚の教会である.屋根が落ちてしまい外側の柱だけが 残っているだけある. 「ノスタルジア」では,主人公が故郷を想うシーンに登場し,ラストシーンでは この場所に故郷のセットを置いて雪が降る. 幻想的なシーンをどうやって撮影したのか..という想いもあったが, 現実にその場所に立つと,もっと神聖な領域に足を踏み入れたんだという 感じであった. 夕闇が迫る中,彼女はスケッチをはじめ,私も撮影をはじめた. 映画と同じような構図で何枚も写真を撮影. その後まわりを撮影し,日没を待った. 日没寸前に聖堂と夕日を撮影.絵はがきにもそのような夕焼けが あったが,こちらの方がもっといいと思った.

サン・ガルガノは何年か前にライトアップされたというので,夜景を撮るため時間を待った. ライトアップされた聖堂を撮ることができた. ガイドの清美さんが気をきかせて,サラミサンドを持ってきてくれて軽い夕食をたべた. すっかり夜になった聖堂で猫達とじゃれあったあと,サン・ガルガノを後にした. ヴォルテーラへ戻ったとき,時刻は23時になろうとしていた.

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